当時、各学校の中では、「生徒の学力をどう伸ばすのか」ということを、教師集団の研究として推し進めていました。
赴任した中学校では、「バズ学習」という方法を研究していました。
「バズ(BAZZ)」は、英語で「話題」という言葉で、直訳すると「話題学習」となります。6人ぐらいのグループに分れ,くつろいだ雰囲気で話し合いを進めながら、問題の解決に近づこうとする学習形態で、言わば「班学習」的なものでした。
授業は、グループで自由に討議させ、そこで得られた結論をグループのリーダーが発表し、さらに全体の授業の中で討議を進めるものでした。
ある先生は、「グループで学習するが、いろんな意見が生まれ、活動的な学習につながる。」と話されていました。
また、ある先生は「協同で学習するから、学習の落伍者が出にくい。」と言われました。
私は、そこで学校の授業が抱えている「活動的な学習の進め方」や「学習の落ちこぼしをなくする」ということへの追究を知りました。
学校という集団の中で、「教師は、どう学習させるか」「生徒は、どう学習するか」を、教師集団はいつも考えていました。
教師生活を続けていくなかで、「集団として学習はさせるけれども、個の学習にどうつなげていくか。」を考えることの大切さも感じてきました。
学校では、集団で学習しますが、最終的に学力は個人のものです。学習によって個人の学力を身に付けなくてはならないのです。
学習の方法はいろいろありますが、学んだことを、個に返し、どのように個の力となっていくかの「個を伸ばす教育」にならなければ、「学力が付いた」とは言えないのです。
学校での授業で「出来た喜び」を感じさせ、「自ら学ぶ力」を培っていくまでに仕上げていくのが教育だと思います。
「個を伸ばす教育」を、学校現場としては、追究していかなくてはなりません。