私の研究授業の反省会の時、ある先生から「山口先生の授業は、『教科書を教えている』」との話がありました。
私は、「教科書の流れに沿って授業をしているのだから、当たり前ではないでしょうか。」と反論しました。
更に、その先生は「山口先生の授業では、教科書を読み進めていけば、分かる授業であり、教師が介在する必要が見受けられない。教師が介在している以上、教師の持てる知識を与え、生徒の学ぶ喜びを引き出さなければいけない。だから、教科書を基としながらも、教師が生徒に分かり易いものを、教えないといけない。いわば、『教科書で教える』ことに心がけて欲しい。」と言われました。
『教科書を教える』と『教科書で教える』は、どう違うのか、少し分かってきたような反省会でした。
前回の「個を伸ばす教育」は、どうあるべきかと考えた時に、教科書を基に、教師が自己の個性を生かして生徒から何かを引き出し、生徒の興味・関心をどう引きつけ持続させるかが、『教科書で教える』という、一つの道かと思います。
学ぶ生徒たちが、教師の持つ知識や技術、更には、人柄の素晴らしさに触れ感動し、この教科が好きになれば、生徒の学ぶ意欲を伸ばすことができるのです。そうすることで、生徒の興味・関心が広がり、「個を伸ばす教育」につなげられるのです。
でも、最近、教科書がよく出来てきていて、分かり易い表現になっています。
教師の知恵を出すところに苦労しますが、これも、教師の仕事ですから、教師の個性を出しながら、頑張って工夫していただきたいものです。