転任して直ぐに担任したのは1年生でした。
中学入学直ぐの1年生とはいえ、初心な前任校の生徒とは、全く感じが違いました。
皆がそうとは言えないのですが、人との関わりが多い中で成長してきたのか、全体的に、「言動が大人っぽい」いわば「おませな」生徒が多いように思いました。
そして、物おじせず、積極的なのです。
だから、自分が思ったこと感じたことは、直ぐに、口に出したり行動に移すのです。
先頭に立つものがいると、更に集団は、その流れに追随し、言動が出て来ます。
積極的で言葉を繰り出す生徒には、教師としては分かり易く、打ち解けられる関係にもなれました。
その中で、いつも「何でなん」と、口癖のように言う生徒がいました。
例えば、社会科の地理の授業で、地図を見ながら、「日本列島は、山が多いのが分かるね。険しい山があれば,なだらかな山もある。山地は東北日本では南北方向に,西南日本では東西方向に伸びており,まるで日本列島が背骨のように連なっている。」と日本の地形を説明していると、「何でなん、日本は何で山が多いの。」と質問してきました。
「日本列島は環太平洋造山帯に属しているために、山が多く,火山や地震も多い。東北日本では南北方向に山地が伸び、西南日本では東西方向に山地が伸びている。」と言うと、「環太平洋造山帯て、何なん。」という風に、次から次と質問が出てくるのです。
分からないことも多い1年生、もっと分かり易く教えなくてはいけないと、教え方の根本的な修正を余儀なくされました。
また、自分が疑問に思ったことは、聞くことも必要だが、自分から調べてみることも大切だと諭すように、仕向けることにしていきました。
「良い質問だね、でも今度の時間までに、君は「環太平洋造山帯」について調べてきて、皆の前で発表してくれると良いね。」という風にも、返していきました。
「何でなん」から、教師としては、授業の見直しや、生徒たちに自分から調べる工夫も取り入れることを学びました。