中学校の国語科で、当時は、小学校で習っていなかった古典の学習が入ってきました。
古典は、古文や漢文を習うようになります。
生徒たちは、今までにない慣れない言葉に違和感を覚えて、分からないという生徒が出てきていました。
どうすれば、古文に親しむようになるかと考えていました。
そこで、教科書に載っていた古文の「枕草子」の「春はあけぼの」から「冬はつとめて」の段と、「徒然草」の「つれづれなるままに」の序段を暗記して、私の所まで暗誦に来るように指示しました。
私も、中学生の時に、先生から暗唱するように言われたのが、この古文でした。
その他にも、地理で都道府県名や、理科の元素記号(30種類ぐらい)を、暗誦するように言われた思い出がありました。
都道府県名や、元素記号は、授業や試験などにも登場するので、必要なのかと思います。
でも、当時の私は、たくさんの古文がある中で、なぜこの文章を暗誦するように指示されたのかが分からなかったのです。
生徒の頃には、「何故と」暗誦の理由が分からなかったものでしたが、教師となり指導する側として、「古文の暗誦」は、慣れない古文を何度も読み、古文を正しく読むための訓練になると思います。
古文の持つリズムや語感を味わい、読みこなせる力を付ける基本的なものだと思います。
そんな話も生徒にしながら、暗誦を指示したのでした。
直ぐに覚えて、私の所まで来て暗誦に合格した生徒もいますが、途中で忘れて、何回もチャレンジしてくる生徒もいました。
結局10日間ぐらいで、皆の暗誦は終了し、生徒も達成感と古文に対するやる気も持たせることが出来たと思います。
昔から、「九九」のように、基本的なことを習得させる方法として、暗唱という学習方法はあります。
この古文学習の暗誦は、そのものの良さを味わう過程と、覚えたという達成感に有効性があり、生徒に対する学習のメリットなのかとも思います。